今まででいちばん2

 

わたしが財布を見たかもと思ったのは少し前で、ずっとモヤモヤしてたらしいけど、そんな事実かどうかも分からない事でよくもそんなに大げさに言えますね。男ってそう、なんか昨日看護師さんのツイートで、女性は39度くらい熱があっても平然としてるから一見分からないけど、男性は37度くらいのでも冷えピタ貼ってポカリ持ってゼェゼェいって診察来るって言ってたし、男って大げさなんですよ。

 

こっちは紛れもない事実でモヤモヤしてるんですよ。

 

もちろん財布なんて見ない。だって、どうせそういうプリとか?メンバーズカードとか?見ることになるし、携帯なんて女ばっかなんでしょ?二人きりで会ってはないけど大人になってから「そういうところ」で会った友だち(笑)の女がいっぱいいるもんね、LINE開いてるときにたまにアイコンがチラッと見えるけどプリクラの女いっぱいだもんね(笑)そんなやつとのメッセージなんぞ見てしまったら心臓が止まるので、見ないだけ。

 

疑ってはない、信じてないだけ。

 

そもそも顔認識パスコードをクリアしなくちゃいけないのにどうやって見たと思ったのか聞いたら、「隣にいる時たまにパスコード打つし見たのかなって」

もちろん、パスコード打ってるのは見たことあるけど覚えない。怖いし傷つきたくないし、信じてないから。

 

でも全く信じてないわけじゃない。

わたしが聞いてから、とかじゃなく彼氏から「外では会ってないよ」って言われてた時に比べたらそりゃあ半分以下だ。健全に友だちとして遊んでいようが、「そういうところ」で会って外でも遊ぶようになった以上、信じられるわけがなかった。

 

でも好きで仕方ない。大好きでどうしようもない。

だけど結婚は、やっぱりできない。

 

彼は疑ってごめん、と言った。

 

彼は分かりやすかった。あのプリクラの日、わたしの誕生日一週間前の日曜日で彼から一通も連絡が来ない日だった。それは別に珍しいことではないんだけれど、なんか違和感を感じていた。女の勘は怖い。次の日の月曜日、写真だけポンと送られてきて、やっぱりなんか変だなあなんて思っていた。この週は、少しの罪悪感からなのか、わたしの誕生日が近いからなのか。なぜか少し、いつもより優しかった。

 

わたしが財布と携帯を見たかも、と思ったのに、彼はわたしのことを嫌いにならなかった。好きじゃなくなってもない、と言った。

 

でもわたしは別れたほうがいいと思っていて、それは毎週金曜日と土曜日が辛いから、信じてあげられないから、と伝えても、彼は別れたくないって聞く耳を立ててくれなかった。

 

それからまだ付き合っていくことになったんだけど、次の日からよく連絡が来るようになった。連絡を頻繁にしてくれるようなったって、わたしは彼のことを信じてあげられるようになるわけじゃなかった。

3年間信じていたことが嘘だったわけだし、遊びの場所で出会った子と仲良くなるのはわたしとの交際関係とは別だと言われたから、わたしに連絡してる傍で何されてるか分からないし、ただそれは疑っているのではなくて実際そういうことをしたことがあると聞いたから、安心できるわけがない。

 

だから金曜日と土曜日が嫌いだ。

これから先、世に溢れる男女の出会いの場に行かれても、それは友だち付き合いだから仕方ないと思わなくちゃいけないことも、ガールズバーで出会った頭があまり良くなさそうな、ギャルというよりヤンキーに近い女と仲良くなるまで通って遊びにいかれるのも、許してあげないと「束縛が少しキツい」と言われるのも、もう限界で辛かった。

 

だからあんまり連絡を返さないことにした。それで彼の気持ちが離れていけば良い。そんなことで好きな気持ちが無くなるかと言われたらなにも返せないけど、もう他に出来ることないしこのまま彼がどう出るかを待つしか、わたしには方法がなかった。